学校日記

家庭学習の習慣定着がカギ

公開日
2009/09/14
更新日
2009/09/14

校長からのメッセージ

 マスコミ報道でもありましたが、8/27に今年度で3回目となる全国学力・学習状況調査(小6と中3に4/21実施)の都道府県別平均正答率が公表されました。静岡県の小学校は、国語も算数も、基礎的・基本的な内容を問う「A問題」については全国平均を上回ったものの、活用力を問う「B問題」については、ほんのわずかに下回る結果となりました。戸田小は、算数のA問題で、県や全国の平均を大きく上回ったほか、国語のB問題でも県平均をわずかに上回る正答率でした。しかし、国語のA問題についてはこれまで同様に不十分な結果となり、戸田小全体として言語力の確実な定着が最大の課題であり、授業改善はもとよりですが、家庭での学習習慣定着が重要であることを再確認できました。
 この調査は、各学校が児童生徒の国語と算数・数学の学力や学習状況を把握・分析することで、教科指導の在り方を工夫したり、教育全般の改善方向を考えたりする目的で行われています。調査は国語と算数・数学の「学力調査」と、学習意欲や生活習慣などについての質問に回答する「学習状況調査」とがあります。学力調査は、主に基礎的・基本的な知識・理解・技能を調べる「A問題」と、思考・判断・表現などの活用力を調べる「B問題」とが、国語、算数・数学それぞれにあります。
 8月28日には、6年児童に個人結果データを配布しました。自分の良い部分はどんなところか、努力しなければならないことは何か、家庭の生活習慣で改善すべきことは何かなど、親子で話し合われたことでしょう。少しでも自分のレベルアップが図れるよう、根気よく努力していくことが大切です。
【国語科学力調査】
 A問題では、これまで同様、言語についての知識・理解・技能を問う問題の正答率が不調でした。中でも、漢字の読み・書きは、6問中5問正解が25%、全問正解が25%と、50%の児童は良好な状態であるにもかかわらず、正答率平均は全国や県に比べてかなり低い状況にあり、二極化現象が起こっていることがわかります。
 一方B問題は、書く力・話す力の問題で低い正答率でしたが、全体としては県平均を上回り、聞く力や説明する力などでは、比較的高い正答率でした。漢字などの言語的な基礎・基本がもっとしっかりしていれば、さらに力を発揮できるものと思われます。
 国語科の授業では、例えば、読み取ったことを書いたり伝え合ったりする場面を設定して、「聞く・話す」「書く」「読む」の活動を融合させて効率的に扱うなどの工夫をしているところですが、漢字学習を軸とした言語についての基礎・基本定着にも力を入れています。
 漢字は、単に「読めればいい・書ければいい」の覚え方では3日で忘れます。その漢字の意味や使い方(熟語)も関連させて覚える必要があり、そのことで同時に漢字以外の言語力も身につくため、新しい漢字との出会いのときにどれだけ丁寧に学習するかが大事になります。学校の授業でも、そこを大事にはしていますが、しっかり覚えきれるかどうかは日常の家庭学習にかかっています。やる子・やらない子で二極化してしまうことのないよう、授業において、家庭学習への意欲付けにも更に努力していきたいと考えます。
【算数科学力調査】
 A問題は計算や数の構成、概数、角度、面積、百分率などの基礎的な問題で、県や全国の平均を大きく上回り、正答率60%未満ゼロという満足のいく結果でした。このことは、1学級に複数教員が関わって個に応じた指導をしてきた成果と言えます。
 しかし、B問題は、県や全国の正答率をわずかに下回り、基礎力の高さが活用力につながっていないことがわかります。細かく分析すると、記述解答する問題で正答率が低いことと、問題の意図や答え方の読み取りミスが多かったことがわかりました。このことは、国語科の言語的な知識・理解が十分でないことが他教科にも大きく影響していることを物語っています。また、読み取りミスが多いことは、答えを早く求めて片付けたいという日常の一人ひとりの学習姿勢も大きく影響していると思われます。
 算数科の授業においては、今後も、言葉や数式などを介して求め方を説明し合う場面を大事にしていきますが、ご家庭においては、片付け型の拙速な家庭学習にならないよう、一人で落ち着いて取り組める時間的・物理的環境を毎日一定時間保障してあげることが重要です。