“一隅” №1
- 公開日
- 2010/08/04
- 更新日
- 2010/08/04
校長メッセージ
平成20年4月1日、着任。同年4月25日から「一隅」と題した校長だよりを不定期に職員向けに出してきています。夏休み中ですので子どもをテーマにした情報の提供は本ホームページでは休止です。
この機を好機と捉え、校長である私の考えるところを披露し、閲覧者の皆様からのご叱正をあおぎたいと思い立ちました。手始めは平成20年の5月15日に出した「一隅」です。
西浦小 河合 秀幸
−先生の言葉−
5/11の日曜日は「母の日」でした。その母の日にちなんだ二つの新聞記事が気になりましたので紹介します。
【その1】(朝日新聞5/12(月)「ひととき」)70歳女性「弟とカーネーション」
投稿した女性の弟さんが小学1年の時の話(昭和20年くらいか?)です。当時は、母のいない子は白いカーネーションを付ける習わしがありました。入学前に母を亡くしていた弟さんは白いカーネーションを付けるのを嫌がり、学校へ行かないと言ってまわりを困らせました。その時、1年の担任の先生が弟さんにかけた言葉が次のようであったと述懐されています。そして、弟さんは堂々と赤いカーネーションを付けて登校していったと心から感謝されたのです。
「お母さんはお星さまになって、いつもあなたを見守っています。だから、あなたの胸にお母さんは生きているでしょう。カーネーションの色は赤でも白でもいいの。 自分の好きな色になさい。」
【その2】(朝日新聞5/11(日)「天声人語」)
菊地澄子さん(73歳)の児童小説『わたしの母』を紹介したコラムです。
小説の主人公は、小学校4年生の高子。母は生後間もない頃の熱病で知的障害を負ったという設定。高子の母は月はじめに日めくりの一枚一枚に封筒を貼り付け、そこに2,000円ずつ入れ、毎日その封筒から2,000円を財布に移しては生活しています。高子は「一月分を同じ袋に入れておけばいいのに」と思います。高子は学級委員もする算数の得意な子という設定です。
作中で母の元担任が母の学力を疑う高子を諭す台詞が出てきます。次の言葉がそれです。
「人間の賢さっていうのは、その人が持っているちからを、どう生かしているかっ
ていうこと」
※「先生の言葉」、その重さを互いに意識しましょう。そして、学びましょう。
子供の鋭さは、その見抜く眼力にあると思います。大人には鈍磨してしまっている鋭い感性があると、私はよく思い知らされます。教師の眼力も磨かねばね!