“一隅”№7
- 公開日
- 2010/08/08
- 更新日
- 2010/08/08
校長メッセージ
−特別支援教育(シートの使用)について−
今年(平成20年)の夏、札幌市の教育文化会館で行われた第16回の学校心理カウンセラー研修講座の報告を11/6に我が故郷、湖西市で開催された日本教育会静岡総会の折、発表しました。
ここに筑波大学大学院教授の石隈利紀先生の講座を紹介します。特別支援教育に視点をあて、学校が援助チームを作ることの重要性を説いた講座でした。特別支援教育対象児を石隈先生は「苦戦している子」と表現されます。困っている子と表現するよりその子の動き、一生懸命さがより具体化されるように感じました。先生はLDの子を「できないこともあるが、やり方を変えればできることもある」と捉えます。ADHDの子については、「激しく何度も叱れば、叱られたことは心に残らないが、心の傷だけは残る」と、単純に叱ることを戒めます。だから、学校現場はチームを組んで対象児の指導にあたることを推奨されます。
チームを組んで支援にあたる時、対象児を受け持つ担任は「自分のやり方が批判されている」「チームだと忙しくなる」という気持ちから「大丈夫です」ということが多くなりがちです。一方、保護者は「自分の育て方が非難されている」「まわりに知られたくない」「特別視扱いされたくない」という気持ちから「困っていません」という反応が多くなります。
この気持ちを理解した上で学校としてはチームを組んで指導することが大事だと石隈先生は言います。そのために「援助資源チェックシート」や「援助チームシート」を提案されます。
先週の巡回訪問全体研修の折、本校の特別支援教育コーディネーターのK先生(平成20年度)が、石隈先生のシートを実際に使用してくれました。感謝!
他校で実際にこのシートを使ってみた学校現場の先生は「子どもをよく知らない、見ていないという自分に気付き、驚いた」と言っています。そして、「自分に足りない視点や把握していない情報があることに気付く」と言います。さらに、チームで支援することで職員室からは「○○君はおうちでちゃんとやってくれないから仕方ないね。」という声から「○○君のお母さんも大変よね、私たちで何かできることはないかしら。」という会話が聞こえてくる職場になると言います。
学校体制でチームを組むことの重要性を再認識します。今後とも子供に関する情報交換を宜しくお願いします。可能な範囲で「報連相カード」を使いましょう(お願い)!
(平成20年11月17日)