“一隅”№16
- 公開日
- 2010/08/16
- 更新日
- 2010/08/16
校長メッセージ
−鉄は熱いうちに−
年度の始まりです。最初の学級のルール作りが大事です。締めすぎず、さりとて甘すぎず、節度をもって、最後は子どもを生かす学級でありたいものです。
子どもは聡いので、担任や教師の動向をすぐ察します。何より担当がどこまでを許容し、どこまでが境界線かをすぐ掴みます。やたらうるさくすればザルから漏れ、逃げていきます。野放図にすれば烏合の衆になります。だから、腕の見せ所です。何よりベテランの先輩教師はその辺の兼ね合いがうまいのです。子どもたちをたちどころに自分の手のひらに乗せてしまいます。盗みたいところです。そこは是非「西浦教師塾」を活用あれ!
教師にとって参考になる本をみつけました。
加藤昌男氏の『先生にこそ磨いてほしい「ことばの伝達力」』日本放送出版協会、2009、です。値段も¥1,000円ですので是非お手元に置くことを勧めます。
NHKのアナウンサーとして活躍された方のようです。冒頭、「結局、教師が持っている幅でしか、子どもは出てこれないんです。」と話した大村はま96歳の言葉を引用しています。さらに、加藤氏は続けます。「教師の持つ幅の広さは、知識、経験とともに、それを伝達することばにも求められます。先生の発する「ことば」は、子どもの思考力、判断力、コミュニケーション能力を育てるうえで多大な影響力を持っています。その一つ一つに、「幅」と「深さ」が問われます。それを発揮する場が教室です。折しも、文部科学省の新学習指導要領でも「言語力の育成」が強調され、国語はもちろん全教科を通じて言語活動の充実が求められます。」(p2,3)と。
具体的に私たち教師が留意し、力をつけたい視点での具体的な提言がちりばめられています。
「チャイムが鳴ったら、ことばの切り替えを」「前列から4〜5人目の生徒に「届く声」で」「石山さん?西山さん?人の名前は大切に」「子どもの発言は、おしまいまで耳を傾ける」などです。 項目に対する分量も多からず、少なからず。しかも、アナウンサーなのにどうして教育現場をこんなにも熟知しているの?と不思議です。日本国語教育学会会員と本の後ろにあります。なるほど。
年度のスタート、忙しい折です。どうぞ先輩に聞いてみて、そして、学んでみてください。
(平成21年4月14日)