学校日記

“一隅”№17

公開日
2010/08/17
更新日
2010/08/17

校長メッセージ

−洋の東西を問わない授業がめざすもの−
月刊誌、「総合教育技術」(2009.5月号、小学館)にNHK解説主幹の早川信夫氏が寄稿した「理科ってこんなにおもしろかったのか」が掲載されています。

2008年の全米最優秀教師、マイケル・ガイセン(35歳)が日本の愛知県東海市の中学校で行った授業のようすが紹介されています。テーマは「光合成」です。色の違う3種類の豆を炭素、水素、酸素に見立てて手を使いながら授業を展開したそうです。

授業のまとめ段階で、中学校の武道場へ教室を移動します。4人の生徒を畳に寝かせ、「4人は木の幹だ。葉っぱをやってくれる女の子はいるかな?」と投げかけ、根っ子役の生徒も加えて、一本の木を畳の上に形作ったそうです。

マイケル先生は「じゃあ、木はどうやって光合成をするのか、やってみよう。」と発問し、生徒達のまわりに3種類の豆の入った紙コップを置きました。「すると、根っ子役の生徒が自分の近くに置かれた水に見立てた紙コップをとって木の幹役の生徒に渡していくではありませんか。最後には、葉っぱ役のところに水と二酸化炭素に見立てた紙コップが集まりました。」
そこで、マイケル先生は、「さぁ、太陽が出てきた。どうなる?」と生徒達に問います。

女子生徒たちは、さっき覚えた化学式を思い出しながら豆で糖を作りました。「そう、これが光合成だ。余った酸素は…」とマイケル先生は言いながら、生徒たちのまわりに残った豆をまいていきます。生徒たちはすっかり納得の表情です。

「植物は光合成をすることで、人間や動物が出す二酸化炭素を取り込み、私たちが生きるのに必要な酸素を出してくれる。だから、お互いになくてはならない存在なんだ」とマイケル先生は授業を締めくくったといいます。

体で学ぶ、体験を通して学ぶことの重要性はよく耳にします。しかし、具体的に授業として創り出すことは容易ではありません。ここが一番の押さえどころ、教師の醍醐味です。大いに挑戦し、西浦小のマイケル先生になりましょう。

(平成21年4月30日)