☆3月29日(日) 卒業生に贈る“この1冊”6
- 公開日
- 2020/04/05
- 更新日
- 2020/04/05
校長室発
「スローカーブを、もう一球」
山際淳司
野球・陸上、漕艇、スカッシュなどのスポーツ競技に魅せられた人々の短編集。
たしか、私が高3の剣道部引退直後に何気なく手にした本だ。
この本をお勧めする理由は二つある。
まず、山際さんの文章の巧みさ。
球場の情景や選手の息づかいが、まるで映画のように鮮明にイメージできた。
初めての読書体験だった。
超スローカーブで強豪校を手玉に取る弱小高の球児。
練習嫌いな彼は甲子園出場を果たすのか。
生活のすべてをトレーニングに捧げた選手が、政治的な理由からオリンピック出場を閉ざされる。
時に「力を抜く」ことを、運命のいたずらを、読書の中で感じた。
努力・一生懸命だけでは切り開けない。
そんな人生の面白み、悲哀を教えてくれた。
大切な、大切な一冊である。
by 澤村亮
☆「江夏の21球」
山際淳司の文章を始めて読んだのは、「スポーツ グラフィック ナンバー」
そして、その文章が、「スローカーブを、もう一球」に収められている「江夏の21球」
ここに出てくる江夏はもちろん、かっこいい。
そして、衣笠も、かっこいい。
☆「たった一人のオリンピック」
「オリンピックに出よう」と突然、思いつき、その競技の素人からオリンピック日本代表選手を目指す22歳の大学生。
オリンピック日本代表選手・・・夢のようなことが現実となる。
しかし、・・・。
自分に今ないものをカウントすると、
どんどん不安が募るだけだよ。
むしろ、自分にある大切なものを一つ一つ数えてごらん。
そうしたら、自ずと不安なんてなくなるよ。
by 山際淳司