3/18(木) LOVE。。 58
- 公開日
- 2021/03/18
- 更新日
- 2021/03/18
校長室発
「〈損得〉が
何を〈やる・やらない〉の判断基準になると、
ほしいものがあるから行動するって常識に、
人生を台無しにされることだってあると思うよ。」
〈中略〉
「さっきの話、覚えてる?
お母さんが
子どもに何かを手伝ってって言うとするよね。
そうすると子どもが
『手伝ったら何くれるの?』って聞いたり、
『百円くれる?』って聞いたりする。
仮にくれるものがわかって納得したり、
希望の金額がもらえるってわかったりすると、
行動を起こすだろうけど、
それは、
行動の結果手に入るものがわかっているから
行動するってことだよね。」
「うん」
知哉はうなずいた。
「これを続けていくと、
結果として
手に入るものがわかっていないものに対して
行動できない人になっていくでしょ。
何ももらえないかもしれないけど、
この仕事やってって言われたら
『損じゃん』って思って
行動したりしなくなるよね。」
「ああ」
「それじゃあ、
どうやってそれ以上のものを手に入れるの?」
「えっ?
それ以上って?」
「手に入れることが
自分で予想できる以上のものさ。
手に入ることが
わかっているものに対してしか
行動しなくなるとしたら、
自分で想像もつかないような
すごいものをどうやって手に入れるの?」
「どうやってって言われても・・・」
「ほらね。
それじゃあ、
自分の可能性を
開花させることはできないじゃない。」
「可能性の開花?」
「だって、
考えてみなよ。
人生を通じて、
自分が手に入れられると
わかっているものに対してしか行動しないんだよ。
そんな人生のどこで、
自分の可能性に
腰を抜かすほどビックリすることができる?」
夏樹は続けた。
「ぼくらの可能性は、
ぼくらの想像を
はるかに超えたところにあるんだよ。
それを、
自分が手に入れられると
想像できる範囲でしか行動しなければ、
その可能性を
開花させる人生なんて
送れるわけないじゃないか!」
〈中略〉
「じゃあ、
何が手に入るかわからなくても、
行動するってこと?」
「もちろん。
それどころか、
ほしいものがなくたって行動はするよ。」
「ほしいものがなくても行動はする?」
「そうさ。
夢とか目標がないから無気力だなんてウソだよ。
夢や目標を持っていても
やる気が起きない人はたくさんいるもの。
だから、
反対に、夢とか目標がなくって、
やる気満々で行動することだってできるんだよ。」
「ほしいものがないのに、
何をするのさ?」
「そんなの決まってるじゃないか!
目の前にやってきたことだよ。」
BY 「ライフトラベラー 〜人生の旅人〜」 喜多川泰