学校日記

“一隅”№13

公開日
2010/08/14
更新日
2010/08/14

校長メッセージ

−「青い鳥」−
阿部寛主演の映画「青い鳥」を観ました(平成21年2月)。
重松清の原作だそうです。現在マルサン書店にて取り寄せ中です。テーマは「中学校でのいじめ問題」です。暗いトーンで映画は淡々と進みます。中西監督は新進気鋭の監督とのこと。教員には是非観てほしい映画です。
「ブタがいた教室」の時もそうでしたが、客の入らない映画はすぐ終わってしまいます。本日2/6(平成21年)が最終です。柿田川のシネプラザ・サントムーンの映画館です。上映時間は18:25です。如何ですか、だまされたと思って。
静岡新聞(平成21年1月30日)に「魅力乏しい米国映画」が特集されていました。−不振の洋画3Dに活路−が副題です。映画ジャーナリストの大高宏雅は「映像の驚きとストーリー性を両立できるかがポイント。」だと3D映画を評しています。手法ではなく、中身、当たり前のようで私たちはどうしても手法に振り回されがちです。
自戒あれ!子どもの対応もしかりです。
(平成21年2月6日)

−「青い鳥」その後−
「一隅」で紹介した映画「青い鳥」について、以下のような話を知りました。紹介します。マルサンのSさんにお願いし、原作(重松清)を持ってきてもらった時に話です。
第一小でも何冊か注文があったとのこと。「第一小の有志が数名で青い鳥の映画を観に行き、原作の注文があった。」と聞きました。その後、第一小の青い鳥を観劇した教師のご主人に会った時、そのことを話題にしました。「ぼくも一緒に最終日に観たよ。」2/6(金)の最終日の夜だったそうです。
さらにご主人は言いました。半分以上冗談で。「きっと夏にはDVDが出るだろうから、夏の校内研修で視聴し、グループで討論することにしようかな。」「賛成、一緒にやりましょうか。」私も思わず答えました。
子供について、その具体を通じてどう対応するか、教師としてどんなスタンスが大事なのか、映画を通じてリアルにズシっと考えることができます。
今年(平成21年)になり「月刊JTU」1月号をいただきました。5ページに掲載されていた「『本当の』子ども参加が育てる自己肯定感」で述べられていた早稲田大学の喜多明人氏の次の言葉がずっと私の脳裏に残っていました。
「2000年代に入って異常なほど下がっていると統計などで指摘される自己肯定感の背景にあるのは、『自分は愛されていないんじゃないか』、つまり受け止められていないという感覚ではないか」「『いい子主義』の蔓延のなかで、周りによく思われようと子どもたちは必死だ。これは、嵩じると、偽りの自己形成となり、要するに自分がなんだか分からなくなる。そのままで受け止められることがなければ、自分を、ましてや他者を大切にするという思いは育たない。」
心を病むことと、自己肯定感は深く結びついています。キャリア教育では「自己有用感」と表現します。「自分探しの旅」と静岡県教育委員会が表現したこともあります。
ともあれ、自分を自分としてしっかと認めることが生きていく時に大事です。
映画「青い鳥」。冗談でなく、夏に視聴し皆で話し合ってみませんか。
(平成21年2月26日)