学校日記

“一隅” H22. №2

公開日
2010/09/11
更新日
2010/09/11

校長メッセージ

− 「西浦教師塾」ほんものの指導とは? −

1 小出義雄に学ぶ
沼津信金60周年を記念して行われた小出義雄陸上監督の講演会内容が沼津朝日新聞の記事(2010,4,18)として掲載されていました。

高校の教諭時代、高校総体陸上競技会場で予選敗退した選手を叱責する監督の姿を見て、「力を出せずに予選で敗れるのは教え方が悪いから」だと怒る監督を疑問視し、「次は頑張ろう!」と敗れてもほめることで選手は喜び「俺もやればできる」と考えるようになるのだからほめて育てることが基本だと述べたといいます。

金メダルを取ったランナーを育成する段になると、「金メダルは難しいと思う人は取れない。金メダルを取るためには、どうのような練習をすべきか、どうしたらいいか、常に、なぜ、なぜ、と考え、工夫しなければならない」と、まさに教師が授業をよくする時、子供に教える時の心の向きについて諭しているのと同じ内容に触れています。

2 鈴木重子に学ぶ
浜松出身のジャズシンガーの鈴木重子さんは若かりし頃、ニューヨークのジャズクラブ、ブルーノートでライブをしたことで名を馳せました。読売新聞に彼女の中学校時代の音楽の授業のようすが紹介されています(2010,3,31)。

静大附属浜松中学校の野中昂(たかし)先生の音楽の授業が音楽家の原点だと彼女は言います。授業のしかたは大変ユニークで、「好きな楽器を自由にやってよろしい。最後に発表会をやろう。」と投げかけ、仲良しの友達とバンドを組み、当時の流行歌を練習したのだそうです。

その折、野中先生は「ここはどうやりたいの?」「ここはもっと弾かないの?」 とニコニコ練習を見守りながら言葉を掛けたといいます。だから、曲のイメージが膨らんだと。

石川啄木の短歌を曲にする授業では、「どんな風景だ? 海の色は? どういう天気なんだ?それでどんなメロディーが浮かんだ?」と野中先生は助言したと述懐します。

「合奏する楽しさも、曲を作る喜びも、みんな先生が教えてくれました。」と。
教師冥利につきる話です。

しかし、ほめる教育の小出先生も浜松の野中先生の自由教育?も両先生の力量があったからこそ実を結んでいます。
教師自身の力量を見極めず、そのやり方(手段、方法)だけを真似ると全く逆の教育になってしまうと私は考えます。
みなさんはどうお考えですか?

(平成22年4月27日)