学校日記

始業式にて〜校長式辞〜(04/07)

公開日
2021/04/07
更新日
2021/04/07

出来事

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 新2・3年生の皆さん、進級おめでとうございます。
 突然ですが、本校の職員室の廊下には、平成元年の2年生が筆で書いた「あたりまえ」という詩がパネル掲示されています。読んだことがありますか? 
 この詩は、癌という病気で32歳で亡くなった井村和清というお医者さんが、亡くなる直前に、まだ幼い娘とこれから生まれてくる娘に送った手記の中に記されていた詩だそうです。
 わたしは、「あたりまえ」に生活できることがどんなに素晴らしいことであるかということを、この1年間で切実に感じました。あたりまえだと思っていたことがあたりまえのことではなく、一つのことをあたりまえのように維持することの尊さをしみじみ味わうことができました。命があることに、健康であることに、家族のいることに、友達のいることに、さまざまなイベントに参加できることに、心の底から感謝の気持ちが沸いたのではないでしょうか。
 春休みの終わりに、久しぶりにうれしいニュースが日本中を駆け巡りました。池江璃花子選手が、白血病から復帰して3年ぶりに出場した日本選手権の女子100メートルバタフライで優勝し、東京オリンピックのメドレーリレー代表に決まったのです。
 日本のエースとして東京五輪での活躍を期待される中、一昨年の2月に病気が発覚しました。退院して再びプールに入れたのは約一年後でした。そして、大会に出たのは昨年の8月下旬。筋力は衰え、少し泳いだだけで苦しくなることが何度もありました。練習でチームメートについていけない悔しさを味わったそうです。食事の量を増やして体重も徐々に戻し、強くなりたいと心の中で思うことでどんどん免疫力が上がっていったそうです。
 今回の大会で優勝した直後、池江選手は、涙ながらに、次のように語っています。「まさか、100で優勝できると思ってなかったですし、5年前のオリンピック選考会よりも、ずっと自信もなかったし、自分が勝てるのは、ずっと先のことだと思ってたんですけど。勝つための練習もしっかりやってきましたし、最後は『ただいま』っていう気持ちでこのレースに入場してきたので、自分がすごくつらくてしんどくても、努力は必ず報われるんだなんていうふうに思いました」と。
 命の危機に直面した人の語る言葉には、重みがあります。
 皆さんは、池江選手からどんなことを学びますか。わたしは、周囲に感謝する気持ち、目標を失わないこと、諦めないで努力する態度。この3つの尊さを学びました。もちろん、池江選手と同じように復活できる人はほとんどいないでしょう。しかし、ほんの数パーセントの可能性であったとしても希望を捨てない姿勢は、真似したいと思うのです。
 本校の学校教育目標は「豊かな心をもち、進んで自己の向上に努めるたくましい生徒」です。皆さんには、本年度の学校生活を通して、「自ら取り組もうとする主体性」と、「粘り強く取り組む実践力」を、今以上に身につけてほしいと思います。そして、あなた自身やあなたの所属する集団に自信をもってほしい。「二中プライド」をもって生活していきましょう。
 令和3年度の第1ステージのキャッチフレーズは、「出会い」です。さあ、新しい仲間、新しい先生との出会いを大切にして、一緒に歩みを進めていきましょう。