学校日記

始業式 校長式辞 1月5日

公開日
2023/01/05
更新日
2023/01/05

行事

  • 1638231.jpg

https://swa.numazu-szo.ed.jp/numazu402/blog_img/1864350?tm=20240127115407

 2023(令和5)年が始まりました。穏やかな三が日でした。よい年明けができたことでしょう。
 十干十二支では、今年は癸卯(みずのと・う)の年です。癸卯の意味を調べると、クオカードのホームページに、次のように載っていました。
「癸」は雨や露、霧など、静かで温かい大地を潤す恵みの水を表しています。十干の最後にあたる癸は、生命の終わりを意味するとともに、次の新たな生命が成長し始めている状態を意味しています。
「卯」は穏やかなうさぎの様子から安全、温和の意味があります。また、うさぎのように跳ね上がるという意味があり、卯年は何かを開始するのに縁起がよく、希望があふれ、景気回復、好転するよい年になると言われています。
 どうですか。素晴らしい年ではないですか。癸卯を音読みすると、「き・ぼう」となります。まさに、希望あふれる年といえます。
 三者面談のときに松かげ勉強会を開催していた4階図書館には、大きな辞典が何冊かあります。そのうち、『成語林』という故事ことわざ慣用句辞典には、兎にちなんだ言葉がいくつも載っていました。
「兎の上り坂」
 (後足の長いうさぎは上り坂を上手に速く走ることから)ものごとが好条件に恵まれてどんどん進展すること。
「兎を見て狗を呼ぶ」
 (うさぎを見つけてからそれを捕らえるために犬を呼び、うさぎを追いかけさせるということから)手おくれだと思っても間に合うことがあるからすぐにあきらめてはいけないということ。
 このように縁起のよい年の初め、わたしは実家で母と一緒に箱根駅伝(往路)を見ました。わたしが感動したのは、エースが集まった花の2区23.1kmを走った中央大学の吉居選手、駒澤大学の田澤選手、青山学院大学の近藤選手によるデッドヒートです。
 中央大の吉居選手は、トップと14秒差の4位でたすきを受けると、上位3チームを抜いて、3km付近で先頭に立ちます。しかし、12km地点で駒澤大の田澤選手に抜かれると、ぐんぐんと差を広げられました。さらに14km過ぎでは、青山学院大の近藤選手にも追い抜かれます。険しい表情を浮かべた吉居選手ですが、ここから驚異の粘りを見せます。19km地点で近藤選手に並ぶと、23km手前で近藤選手をかわしました。そして、残り100m。吉居選手はラストスパートをかけます。先頭の田澤選手をとらえ、トップでたすきを渡し、見事、区間賞を獲得したのでした。
 「やっぱり田澤さんや近藤幸太郎くんだったりという大学トップレベルの人たちと走れる時間だったので、そこを満喫したいと。楽しい時間だった。せっかく楽しい時間だったので、離れるわけにはいかないと思って走りました。」「ラストは本当に苦しくてペースを上げられないかなと思ったんですけど、一緒に頑張ってきた中野が待っていてくれると思って最後思い切りいきました。後半、坂が苦しいと分かっていたんですが、自分は突っ込みたいという気持ちがあったので前半から積極的にいきました。中盤苦しかったんですが、青学の近藤君につかせてもらって、最後頑張れたかなと思います」「ラスト1キロ切ってからもまだ分からないような状態で、でも秒差の争いということはラストの藤原監督からの声で分かったので、そこでどうしても区間賞を獲りたいという気持ちがあったので、そこで頑張れました」(スポーツ新聞記事からの引用)
 23.1kmを走っている中で、吉居選手はいろいろなことを考えていたんですね。マラソンや駅伝と同様に、わたしたちの人生も山あり谷ありです。初めのうちは自分のペースを乱してまでも夢や目標に向かって勇気を持って突き進む。途中でそのつけが回ってきて、壁にぶち当たります。痛い失敗もすることでしょう。でも、目指すべき先を見失わず、チャンスの訪れるのを辛抱強く待つ。ここぞという場面が来たら最後の力を振り絞る。その結果、吉居選手のようにうまくいくときもあるし、そうでないときもあります。しかし、とにかく信じるのです。自分を信じ、仲間を信じる。そこに、最後まであきらめずにやり遂げた達成感が生まれるのではないでしょうか。すがすがしい気持ちに浸れるのではないでしょうか。先月の持久走大会で走り切った皆さんなら、このことを実感できるはずです。
 さあ、3学期が始まりました。授業日数は、1・2年生が50日、3年生が49日です。寒いシーズンだけれど、この短い期間を熱い気持ちで乗り越えていきましょう。令和5年度へたすきをつなぐことができるように、仲間と共に頑張りましょう。