2学期終業式 3
- 公開日
- 2013/12/25
- 更新日
- 2013/12/25
校長からのメッセージ
終業式の話として、昨年の「優情」の続編として、「優情2」を用意しました。以下スクリーン上に引用した文章です。
「君をさがして」
中学3年生の卒業間際、卒業旅行で東京ディズニーランドへ行った時のことです。TDLは、とても楽しい所です。すっかりはしゃいで楽しい時を過ごしました。
お土産はかさばるので、最後に買おうと女の子同士で決めていました。そして、最後に集合時間を決めて、皆バラバラとお土産を買いに行きました。
TDLは不思議な所ですね。暗闇の中を横切るパレードやシンデレラ城を見ながら、不思議な感覚になりました。ぬいぐるみ売り場でたくさんの品物を見ていると、ミニーのぬいぐるみに吸い込まれていきました。
そして、それを手に取るとM子の顔がよみがえってきて、涙があふれてきました。M子は、小学校の時の友人です。何をするにも一緒の大親友でした。
しかし、小学校卒業後は、別々の中学校に通うことになってしまいました。別々の中学校に進学してからも、時間があればよく遊んでいました。そして、お互いの中学校の話もたくさんしました。
私の中学校では、卒業旅行先が例年、TDLでしたが、M子の中学校はそうではありません。TDLに行ったことがなく、ミニーが大好きなM子は、とてもうらやましがっていました。「じゃあ、その時、ミニーの ぬいぐるみ買ってきてあげるよ。」と言うと、M子は、大きな目をクリクリさせ、とっても嬉しそうな顔で、「ありがとう!」と元気に応えました。
しかし、
………
中2の冬。
突然、M子は帰らぬ人になってしまいました。
………
お葬式の日、M子の亡くなった顔を見るのがとても怖くて、女の子5人でぎゅっと手をつないでやっと勇気を出してM子の顔を見て、「さよなら」を言いました。人生で一番泣いた日でした。
ディズニーランドで、ミニーのぬいぐるみを見た瞬間、「ありがとう!」と元気に言ったM子の嬉しそうな顔がよみがえってきました。そして、涙が一杯あふれてきました。
そんな事情を知らない友達が、涙一杯の私を心配してみんなオロオロして、店内の大勢の視線から守るように私をなぐさめてくれました。
しばらくして、少し落ち着いた私は、事情を知らない友達にM子にミニーのぬいぐるみを買って帰る約束をしたことやM子の死のことを話しました。
すると、友達がみんなミニーのグッズやミニーの入っている品物を差し出して、
「M子さんに、渡して」
と言うのです。私は友達の心に感動して再び涙で一杯になりました。
後日、M子の家に行き、M子のお母さんにたくさんのミニーのお土産を渡しながら、この話をすると、お母さんはぼろぼろ泣いて涙が止まりません。二人でいつまでも泣き続けました。
大切な人が突然いなくなった時、その大切さが身にしみます。今、友人、クラスの仲間や家族、その他どれだけたくさんの人々に、自分が支えられているか、この冬休みに考えてみてください。そして、1月7日(水)みんなで温かい心を持ち寄って再会しましょう。
いかにたくさんの
人々の優情によって
自分が支えられているか。
優情を感じ取ることのできる
優情を返すことのできる
人間になりたいものです。 以上で終わります。