第3学期始業式
- 公開日
- 2014/01/07
- 更新日
- 2014/01/07
校長からのメッセージ
以下、始業式の話です。
皆さん。新年明けましておめでとうございます。先ほど教頭先生から3年生の3学期は49日間という話がありましたが、びっくりしてしまいました。7で割れば7週間ですね。本当に3学期は短いなと思いました。このように短い3学期ですけれど、一日一日を大切にして、過ごしていきたいと思っています。3学期もよろしくお願いします。
資料を回している最中かと思いますが、十二日間の冬休みでしたが、どのように過ごせたでしょうか?QCカードは、しっかり記録できたでしょうか?担任の先生方を通して、後ほど集められると思いますが、それを見て、時間がかかるかもしれませんが、結果報告をしたいと思っています。今後も小澤先生の「習慣が変われば、人生が変わる」という言葉を頭に置いて、一人一人が生活習慣の向上を目指して、頑張っていきましょう。
さて、私もこの12日間に、日頃味わうことができない体験等をしまして、楽しく充実した時間を過ごすことができました。その中から一つ紹介します。
1月4日の土曜日に行われた同窓会に参加してきました。その同窓会は36歳となる教え子たちとの同窓会でした。卒業してからですと21年ぶりに再会した者もいました。大変楽しい時間を過ごすことができました。その中で、教え子の姿を見て、「あー昔と変わらないな。」という感想も持ちましたが、中には「こいつは変わったな」と思う姿もありました。例えば、昔、自分の思いを私に中々伝えることができない口数の少ない子がいましたが、この日は私にたくさんの話を持ち掛けてくるし、同級生にも饒舌に話している姿がありました。また、中学校の時は、いつも不機嫌そうで憂鬱そうな顔をしていた心配な生徒がいましたが、この日は非常に柔和で優しい表情をしていました。このように昔の姿から考えると予想外な姿もありました。このような姿を見ると、当時の自分の生徒を見る力が弱かったとか視野が狭かった、一面的だったと反省したわけです。
また、その同窓会で大変嬉しいことがありましたので、それを皆さんに伝えます。36歳ですので、もう父親だったり母親だったり親になっている人が多いわけですが、その中である教え子が「先生に教わったことを、今自分の子にも言ってますよ。」と言うのです。当時、私は本校で言えば、片岡先生のような役割、生活担当でしたので、生活上の話を生徒に向けて時々行いました。ある時、こんな話をしました。
「人を見かけで判断してはいけないという言葉をよく聞くね。確かに、知り合うと第一印象が悪かった人が、優しくてとてもいい人だなんてことがあるね。そういう経験を通して、人を見かけで判断してはいけないってことが本当だと思えるね。だけど、私は、人を見かけで判断してはいけないけれど、人は見かけで判断すると思ってほしいんだ。例えば、服装・髪型、自分がよければいいじゃって言う人がいるんだけれど、私はそれは違うんではないかなって思うんだ。やっぱり、自分は見かけで判断されるって意識を持っていたら、周囲の人に嫌な印象を与えないように過ごすべきではないか。」というように話したんです。この話を覚えてくれている教え子がいて、「先生、あの言葉は今でも頭に残っていて、自分の子にも、『人を見かけで判断してはいけないけれど、人は見かけで判断するよ』って言っていますよ。」と言うわけです。この日の話題として、私の数学の授業の話題は、全くありませんでしたが、このような話を聞くととても嬉しい気持ちになりました。
そこで、本日の資料に入ります。「人と人との関わりで大切なものは」シリーズの4回目となりますが、今日の題名は「智」です。この「智」と知るの「知」は非常に似通った意味を持っていまして、厳密にこの違いを説明することは難しいわけですが、私の解釈では、知っている「知」は単に知っている状態、今日の題名の「智」はそのレベルより上の状態だと思います。それをまとめて、プリントの左サイドを見てください。智…うわべだけでなく、本当の姿を知ることとまとめました。人と人との間で、相手を本当に知るには、うわべだけ、見かけだけの印象ではなく、いろいろな角度から知ろうとする努力が必要だと思います。
プリントの裏側を見てください。今日は珍しく図形を示しています。これは多面体の一つだけれど、いくつの面からできているかは、後で数学の先生に聞いてみてください。このように、いやもっと多くの面が人間にはあるのではないかなって思っています。ただし、この図を見て分かるようにこの図形の裏側がどうなっているかは分からないんですね。表と同じようにできているかもしれませんし、そうでないかもしれません。後ろに回って見ないと本当のところはわかりません。いずれにしても、人にはこのようにたくさんの面があると思います。人によって色合いが違ったり、持ち味が違ったりと、一人一人違った面を持っているでしょう。そして、その中には良い面や悪い面も必ずあるでしょう。私にも悪い面があります。悪い面は、なるべく小さくする努力が必要でしょう。
そこで本日の題名「智」を成り立たせるには、「知る努力」相手を知る努力ですね。それから「知らせる努力」、自分の良い面を相手に知らせる努力が必要だと思います。そこで書いてある文章を読んでみますね。
人は、多面体のように
たくさんの面によってできている。
その中には、
良い面もあれば、悪い面もある。
二人の間で、良い面を見せ合えば
互いに向上していき、
逆に、悪い面を見せ合えば
互いに沈んでいく。
相手の良い面を知る努力、
自分の良い面を磨いて
それを知らせる努力が大切である。
本日から始まる3学期、皆さんが周囲の友人を知る努力をしながら、できるだけ自分の良いところを見せ合って、学級、学年、そして学校が向上していくように過ごしてほしいと思いまして、このような話を用意しました。今日から始まる3学期がそのような向上につながっていきますよう、みんなで新しい気持ちでスタートしましょう。
以上で、第3学期始業式の話とします。