学校日記

卒業証書授与式 式辞

公開日
2014/03/19
更新日
2014/03/19

校長からのメッセージ

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「平成二十五年度 卒業式 校長式辞」

 三月に入っても、寒い日が多く、春を身近に感じることができませんでした。しかし、ここ数日で気温も上がり、周囲を見渡せば一気に春めいてきていることが感じられます。春は、新しい命の息吹を強く感じる門出にふさわしい季節です。
 このよき日に、多くの御来賓の皆様並びに保護者の皆様の御臨席を賜り、このように盛大に卒業式を挙行できますことは、誠に喜ばしく、心より厚く御礼申し上げます。(礼)
 さて、卒業生の皆様、本日は、卒業おめでとうございます。まだまだと思っていた卒業式の日となってしまいました。卒業の実感が湧かなかったかもしれませんが、先ほど、卒業証書を手にし、次第に卒業する自分を感じてきたのではないでしょうか。
 少し、振り返ってみましょう。初々しい制服姿で入学した三年前、右も左もわからない中、先生方や先輩達に指導されながら過ごす中で少しずつ中学校生活に慣れていった一年生。
 学年委員会を中心として自分たちが主役になって取り組んだ高原教室、夏以降後輩をリードしながらの部活動等、自分たちの手で創りあげていく喜びを感じることができた二年生。
 そして皆さんは、原中の顔となる三年生になりました。学級開きとともに、すぐ修学旅行の準備に取りかかりました。そして当日を迎えました。この修学旅行は、三日間とも晴天という大きな幸運に恵まれました。青空一杯、笑顔一杯という素晴らしい修学旅行を実施することができました。きっと今でも、修学旅行のよき思い出のシーンが蘇ってくるのではないでしょうか。
 修学旅行が終わり、近づく中体連に向けて、部活にエネルギーを注いだ日々となりました。仲間と励まし合って迎えた中体連、その結果は、各部それぞれ異なりますが、多くの感動や思い出を残してくれました。
 残暑厳しい、八月二十九日に二学期が始まりました。その暑い中を、すぐに潮騒祭の準備が始まりました。各学級、当日まで熱心な練習を繰り返す中で、次第に皆さんの気持ちが一つにまとまっていき、合唱や百足などのレベルがぐんぐん上がっていきました。
 そして、当日を迎えました。一日目の合唱では、どのクラスも見事な歌声を響かせ、「さすが三年生」という声があちこちから聞こえてきました。二日目の体育の部、素晴らしい晴天の下、皆さんの最後の潮騒祭にかける強い思いが十分に伝わってきました。「原中伝説〜立ち昇る 陽炎の日々〜」というスローガンにふさわしい、記憶に残る素晴らしい出来映えの潮騒祭でした。
その他、様々な活動において、最上級生としてのリーダーシップを大いに発揮して、本校を前進させてくれました。ありがとうございました。
 さて、四月からは、皆さんそれぞれの新しい道へと飛び立つことになります。今は、楽しみな気持ちや不安な気持ちが交錯しているのではないでしょうか。
 そのような皆さんへ、「自省」という題名で、話をします。
「自省」とは、自ら省みる、つまり自分の言ったことや行ったことを自ら反省するという意味です。
 今年度一年間は、「関わり」という言葉をキーワードにして、「人と人との関わりで大切だと思うことは何ですか」という問いかけから始まりました。皆さんからは、「あいさつ」、「礼儀」、「思いやり」、「優しさ」、「信頼」、「感謝」などの多くの大切な言葉が返ってきました。それに対して、私は、昔から伝わっている大切な言葉である「仁」・「義」・「礼」・「智」・「信」を返しました。
 一年間を閉じる本日も「仁」・「義」・「礼」・「智」・「信」という五つの面から、「自省」を考えたいと思います。
 まず、「仁」、優しい気持ちで、周囲の人に接することができたでしょうか、「義」、自分にとって損か得かではなく、人として正しいか間違いかを考えて正しく行動できたでしょうか、「礼」、相手の気持ちを考えて、礼儀正しく行動できたでしょうか、「智」、うわべだけでなく、相手の本当の姿を深く知ろうと努力できたでしょうか、「信」、言ったこととやっていることが同じであったでしょうか、この五つを振り返ると、きっと足りない自分に気づくのではないでしょうか。このように、「自省」を行うと、自分の足りないところが浮き上がってきます。さらに振り返ると、その不足を周囲の人々がカバーしてくれていたことに気づきます。そこから、感謝の心が生じてくるはずです。先日の梶浦 真様の講演にもあったように、心はコロコロと変わりやすいものです。自分で心の掃除をしていかないと知らない間に汚れていきます。ぜひ、五つの「自省」を通して心を掃除する習慣を身につけて下さい。また、小澤治夫先生の「習慣が変われば、人生が変わる」という大切なメッセージもありました。今後、心の掃除を行いながら、よい習慣を身につけることによって自分の夢や目標に向かって、力強く歩んで行ってください。
最後に、旅立つ皆さんへの応援メッセージとして、「私へ」という詩を読みます。

ころんでも
 立ち上がればそこが新しいスタートライン

泣いても
涙をふけばその時新しいスタートライン

前を見て
一歩踏み出せば今が新しいスタートライン

 いつだってそこにある
だから私めげるな
 これから困難なことにもぶつかるかと思いますが、この詩のように、考え方次第でそれを乗り越え、明るく、楽しく、前向きな人生を歩むことができます。皆さんには、大きな未来が広がっています。ぜひ、四月から始まる新生活に向けて思い切って踏み出していってください。
 そして、いつの日にか、大きく成長した姿を、この原の地に見せていただきたいと強く期待しています。
 保護者の皆様、本日はお子様のご卒業おめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。
 ここまでお育てになる中で、保護者の皆様には、たくさんの御苦労があったのではないかと思います。しかし、本日のお子様の晴れやかな姿を御覧になって、そのような御苦労を忘れてしまうほどのお慶びを感じられていることでしょう。
 お子様の御卒業を心よりお祝い申し上げるとともに、これまで本校の教育に多大なる御協力をいただいたことに深謝申し上げます。お子様は本日、本校を巣立つことになりますが、今後ともこの原中学校への御支援御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 終わりにあたりまして、御来賓の皆様方、本日は、お忙しい中、御臨席賜り、誠にありがとうございました。今後とも皆様のお力を賜りますよう、高いところから失礼とは存じますがお願いいたしまして式辞といたします。
 
 平成二十六年三月十八日
 沼津市立原中学校 校長   芝  厚