2学期始業式(式辞)8月24日
- 公開日
- 2022/08/24
- 更新日
- 2022/08/24
校長あいさつ
令和四年度 二学期始業式 式辞より(抜粋)
8月9日、アメリカ大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手が、1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶりとなる「2桁勝利、2桁本塁打」の偉業を達成しました。日本国民として誇りに思います。
(中略)
これは、大谷選手が高校一年生の十二月に、自分が高校を卒業するときを想像して書いた、目標達成シートです。有名ですので、知っている人もいることでしょう。これは「オープンウインドウ64」といいます。中心の最終目標に対して、それを叶えるために必要な柱を8つ掲げ、それぞれの柱ごとに8つの具体的な行動を考えています。
大谷選手は、今でも、大リーグでグラウンドに落ちているゴミを拾っていて、多くの野球ファンに感動を与えています。実は、高校一年生のときに既に、「ゴミ拾い」を実践すべき行動の一つに記していたのです。最終目標達成のためには「運」も必要と、「部屋掃除」「審判さんへの態度」「本を読む」「応援される人になる」「プラス思考」「道具を大切に使う」「挨拶」と、心を鍛え、人のためになろうとしていることもわかります。人のためにと考えると、行動のモチベーションも上がりますよね。
このシートを提唱したのは原田隆史という元中学校の保健体育の先生でした。花巻東高校の野球部の佐々木監督が、このメソッドを取り入れて、選手たちに実践させたのでした。原田先生は、大谷選手の書いた「オープンウインドウ64」を褒めながらも、それを書き上げただけでは最終目標を達成することはできないとおっしゃいます。確かに、書いたことを継続して行動しなくては何にもなりません。わたしのような凡人には、そこが難しいと思います。
そこで、原田先生はおっしゃいます。
まず、毎日やれそうなルーティン行動と、いつまでにやると決めてやる期日行動とに区別するとよいそうです。期日行動については、いつまでに達成させるかを書いて見える化するとよいそうです。
さらに、64個の行動それぞれについて、手伝ってほしい人を書き加えることを推奨しています。わたしたちはだれでも多くの人に支えられて生きています。一人の人間の力だけでは、大きな物事を成し遂げることはできません。ですから、自分の周りの人の支援が欠かせないのです。周りの人にあえて公表し、周りの人たちの力を借りることで、自分の決めた行動を確実に実行していくことができるのだと思います。
原田先生は、具体的な行動目標の一つ一つについて、実現状況をチェックしていくこと、そして、毎日、「日誌」を書いていくとよいとおっしゃいます。試合の後などに、顧問の先生にノートを提出している人がいますね。そういうときだけでなく、毎日、書くと人間は変わっていくとおっしゃいます。
わたしがなるほどと思ったのは、自分に自信が持てるようになるための仕掛けが、その「日誌」に施してあったのです。毎日、次の二つを書くのだそうです。それは、「いちばん頑張って自分が良かったこと」、「何かをやって他者から『ありがとう』と言われたこと」です。それを続けていくと、卒業するときには、頑張ったこと・ありがとうと言われたことが、たくさん書きためられることになります。「日誌」を見るたびにわくわくすることでしょう。こうして、「自分はやれる」という、能力に対しての自信と、「自分が大好き」という、失敗しても自分を愛せ、許せる気持ちを高めていくのです。
もしよかったら、実践してみてください。詳しく知りたい方は、校長室まで気軽に足を運んでくださいね。
では、2学期が皆さん一人一人にとって、充実したものとなることを祈っています。