3月16日 卒業式
- 公開日
- 2021/03/16
- 更新日
- 2021/03/16
学校の紹介
答辞
暖かい陽の光が降り注ぎ、桜の蕾も膨らみ始め、春の訪れを感じる今日、私たち１１７名は卒業の日を迎えました。いよいよ旅立ちの日。慣れ親しんだ愛鷹中学校に別れを告げ、私達は今日、卒業します。世界では、新型コロナウイルスが猛威を振るい、多くの方々が苦しんでいます。犠牲となられた方々のご冥福をお祈りすると共に、今なお病気で苦しんでいらっしゃる方々にお見舞い申し上げます。さまざまな催しが自粛される中、無事今日の日を迎えられたことに感謝いたします。そして多くの方々にご臨席いただきましたことを心からお礼申し上げます。喜びと達成感に満たされると同時に、愛鷹中学校、そして共に過ごしてきた先生方や仲間との別れに寂しさを覚えます。この場を借りて、皆さんに伝えたい強い思いがこみ上げます。
三年前の四月、希望と不安を抱えながら私達は愛鷹中学校に入学しました。中学生になって初めての行事、地域学習では沼津１００選をもとに様々な場所を訪れました。二年生では最大の行事である自然教室に向け、四月から準備を進めました。さまざまな係に分かれ、キャンプファイヤーや学級スタンツの準備も行いました。しかし、宿泊先で食中毒が発生し、自然教室は中止となってしまいました。やるせなさに落ち込みましたが気持ちを切りかえ、十月のスケート教室に全力で取り組みました。滑り方を学び、富士山世界遺産センターの方々の講話をいただくことで、人や自然との繋がりを実感しました。
しかし、これまで当たり前のように訪れてきた全ての事が、決してそうではないと思い知らされる更なる試練が立ちはだかりました。二年生、二月末の緊急事態宣言。突然の休校に私達の生活は一変しました。学年の節目となる３月を迎えることもできませんでした。その時は新型コロナウイルスという得体の知れないものに漠然とした不安があったのを覚えています。授業や入試はどうなるのだろう、これから普通の学校生活が送れるのだろうか、そんなことが胸をよぎりました。
社会の混乱が収まらない中、私達は最上級生へと進級しました。六月になり、ようやく訪れた新学期。学校に通い、友達と会えることの喜びをかみしめました。しかし、それもつかの間、楽しみにしていた修学旅行は、最終的に中止となってしまいました。多くの事がコロナ禍で制限されていく中、私達の心を一つにまとめたものは、鷹根祭でした。文化の部では、それぞれのクラスが最高の合唱を披露しました。最初は皆の心がばらばらで、音程やリズムも合いませんでした。しかし、何度も素敵な歌を作ろうと呼びかけることで皆が本気になっていきました。本番当日の体育館に響き渡ったハーモニーは本当に素晴らしいものでした。体育の部では、種目が限られながらも懸命に作戦を考えました。一致団結し、全員リレーで繋いだバトンは結束力の証となりました。鷹根祭を終え、私達は高校受験に向かって一気に突き進んでいきました。「受験は団体戦だ」と、先生はよく私達におっしゃいました。学年委員と生徒会で協力し、集中できる環境作りに努め、昼休みには勉強を教え合いました。その結果、授業に真剣に取り組む生徒がたくさん増えました。皆で高め合い、励まし合えたからこそ、私達は受験を乗り越えられたのだと思います。
在校生の皆さん。コロナ禍で開催も危ぶまれる中、激励会や三送会を開いて下さりありがとうございました。スライドショーや昇降口前のメッセージボード、千羽鶴などを作って、懸命に私達を支えてくれました。
今まで指導して下さった先生方。私達が間違っていた時に正しい道へ導いて下さいました。先生方は私達の意見を尊重し、自分で考える機会を与えて下さいました。そのおかげで、私達は自ら考え、判断して行動出来るようになりました。また私達が安全で充実した日々を送れるように支えて下さった養護教諭の先生、給食の先生、相談室の先生、事務室の先生、用務員さん、地域の方々、今まで本当にありがとうございました。
私達はこの愛鷹中学校を卒業し、大人への一歩を歩んでいきます。学校教育目標である「夢に向かい 心豊かに 自ら学ぶ」を掲げながら三年間を過ごしてきました。当たり前の通用しない日々の中で、私達は自分で考え、判断し、行動する力を培ってきました。ここで学んだことを生かし、卒業しても人を思いやり、敬い、そして他者貢献できるような大人になります。
最後に、いつもそばで静かに支えてくれた保護者の皆さん。本当にこの三年間たくさんの心配と迷惑をかけました。いつでも私達の話をよく聞き、寄り添ってくれました。特に、受験勉強で辛い時は暖かく見守ってくれました。これからも迷惑をかけると思いますが、よろしくお願いします。私達はそれぞれの夢に向かい精進していきます。愛鷹中の仲間に出会えた事、先生方の指導を受けられた事、心から嬉しく思います。今まで本当にありがとうございました。
令和二年度 卒業生代表 戸谷 聡汰
