学校日記

9月18日朝礼

公開日
2012/09/18
更新日
2012/09/18

校長からのメッセージ

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潮騒祭に向けて、次の作文を生徒に紹介しました。

「合唱コンクールへの思い」
来年もまたこの感動、それ以上の感動を味わいたい、そう思った。昨年の合唱コンクールで、わたしのクラスは金賞を取ることができた。最初はお世辞でもうまいとは言えないくらいのできで、そのとき伴奏者だったわたしも、本当にどうしたらいいのかわからなかった。でも、パートごとに分かれ、朝と帰りに毎日練習する日々の中で、少しずつ成長していき、本番では結果を残すことができた。
しかし、わたしは今年の合唱コンクールで、伴奏をやるのがいやだった。というより怖かったのだ。
三月の三年生の卒業を祝う会で、わたしは学年合唱の伴奏を務めた。今までと同じように毎日家で練習し、本番に備えた。しかし、当日にわたしは、前奏のほとんどを間違えるというとんでもない失敗をしてしまったのだ。歌が始まってからは立て直したものの、弾き終わった後に、恥ずかしさや罪悪感、そして涙が一気にあふれてきた。そのときわたしは完全に自信をなくし、もうこのピアノの前に座ることはできないと思った。
そして、それから四ヶ月がたった今年の七月初め、ついにこのときがやってきてしまった。中学校生活最後の合唱コンクールについての話し合いだ。クラスでピアノを弾けるのはわたししかいない。つまり、伴奏者に立候補するのはわたし以外にいないといっても過言ではないのだ。でも、司会を務めていた学級委員が「伴奏者に立候補する人は手を挙げてください。」と言っても、誰も手が挙がらないことにクラス中が驚いた。わたしが当たり前のように手を挙げると思っていたのだろう。小学校のころから全校の前で伴奏したことも少なくない。
クラスのみんなは、え?と言わんばかりの顔でわたしを見ている。こういうふうになるのはなんとなく予想できていたけれど、一気に三十三人から視線を浴びると、やはりどきっとした。自分はこんなにも期待されていたのかな、とも思ってしまった。わたしが考えていることを何も知らないクラスのみんなは、口々に何かを言っている。そんな言葉は全く耳に入らず、自然と担任の先生と目が合った。そっと廊下に呼ばれ、少し抵抗感があったものの、先生の後に続いた。
そのとき先生が言ってくださった言葉、そしてクラスのみんなや、昨年同じクラスだったみんなからの言葉で、わたしの決意が固まった。最初はみんな驚いていたようで、「なんで?」というのが多かったけれど、理由を話すとみんなが口をそろえて言ってくれたのが、
「大丈夫。絶対できる。」という言葉だった。簡単で短い言葉かもしれないけれど、わたしはそのときの力強い言葉と信頼の証でもある温かい視線に、涙がこぼれそうだった。
今は本番に備え、得意な部分はさらに極めるように、苦手な部分は完璧にするように、日々練習している。あのときの言葉がなかったら、今の自分はいないと思うし、三月の失敗も、これから先いろいろな壁にぶつかったときに、この経験を生かしていくためにも、忘れてはいけないことだと思えるようになった。そして本番では、自分を信じ、仲間を信じ、必ず金賞を取りたい。