国語だより 〜藤〜
- 公開日
- 2020/04/23
- 更新日
- 2020/04/23
学校の様子
平安時代の女流作家、清少納言は「枕草子」の中で、
藤の花は、しなひながく、色こく咲きたる。いとめでたし。
(藤の花は、枝垂れが長く、色が濃く咲いている様子が素晴らしい。)
と、趣深く素晴らしい様を述べています。
藤の花を詠んだ歌は多く、その歌人の一人に正岡子規(まさおかしき)がいます。
瓶にさす 藤の花ぶさ みじかければ
たたみの上に とどかざりけり
子規は、この時、不治とされていた病に冒され、寝たきりの状態でした。
不治(ふじ)と藤(ふじ)を掛けて、そのもどかしさを表現したのかもしれません。
なかなか収まらないコロナウイルス。
学校再開ができないもどかしさ。
子規の歌が、今、心にしみます。
※藤の花は晩春を表す季語です。