国語科だより〜万緑 2〜
- 公開日
- 2020/05/08
- 更新日
- 2020/05/08
学校の様子
万緑(ばんりょく)の中や吾子(あこ)の歯生(は)え初(そ)むる
「万緑」漢字の熟語、強い感じがしますね。夏の季語です。どこもかしこも緑でおおわれている感じを表す言葉です。草木の生命力に、「わが子」への成長を重ね、たくましく育って欲しいという親の願いを象徴する言葉です。ひらがなのみどり、とか、カタカナのミドリではだめなのですね。「万緑」という固い言葉を選んだ理由があります。
冬が終わり、夏の草木はもの凄い勢いで伸びていきます。ぐんぐん伸びていく草木の香りにむせ返るようです。散歩にでも出たのでしょうか。わが子の口の中には、小さな白い歯がいつの間にか生えていました。きっと赤ちゃんの柔らかな口に触ってみたに違いありません。きっとミルクの甘い匂いもしたでしょう。草木の成長と、わが子の成長を重ね(「葉」と「歯」ともに「はえる」のですね)どんどん伸びて欲しい、たくましく育って欲しいと願う親の気持ちが感じられますね。
※学習課題
「万」を使う熟語にはどのようなものがありますか?(数字の意味、10000だけではありませんよ)辞書を使って、語彙を増やしましょう。