国語だより〜柳 2〜
- 公開日
- 2020/05/18
- 更新日
- 2020/05/18
学校の様子
幽霊が出る場所の定番は柳の木の下でした。
以前「対比」がものを認識するのにとても大切だとお話しました。
反対に「類比」というものの見方があります。
どこか似ているポイントを探す見方です。
柳と幽霊、どこが似ているでしょうか?
青柳の襲目も類比です。
江戸時代におこった娯楽に「落語」や「講談」があります。「歌舞伎」などは、役が決まってお芝居をしますが、落語などは、たったひとりで何役もこなします。ナレーターも兼ねます。(便覧P102 みなさんは着物をきて大喜利をやっている噺家さんは知っていますね)
座布団の上に座ったきりですから、ジェスチャーや、顔の表情、扇子を小道具に見立てるなどしか手立てはありません。娯楽の少ない江戸時代の人は寄席(よせ)に通って落語などを楽しみました。
夏は、暑いので、ぞっとするようなこわい話、「怪談話(かいだんばなし)」が好まれました。(もちろん、落語には大笑いするお話も多いのです。泣ける話もたくさんあります)
「応挙の掛け軸」では、円山応挙(有名な日本画家)の絵があまりに素晴らしくて、夜な夜な幽霊が抜け出たそうです。番町皿屋敷で、お皿を割ったため斬り殺されたお菊の幽霊は「一枚、二枚・・・一枚足りない・・・」といって悲しそうにお皿を数えます。
「牡丹灯籠(ぼたんどうろう)」「八百屋お七」みんな美人の幽霊です。
暑いなあと思ったら是非、日本の話芸、「落語」を聞いてみてください。スピーチなどではない、話し言葉の魅力に、ぞっとしますよ。お勧めです。
☆ちなみに幽霊の絵は、芹澤先生が描いてくださいました。