国語科だより〜柳 3〜
- 公開日
- 2020/05/18
- 更新日
- 2020/05/18
学校の様子
柳といえば、もともとは、新緑の緑の美しさから、春を表しました。
柳の葉は細いですね。そこで「青柳」は枕言葉で「糸」「細き眉根(まゆね・とくに美人のこと)」にかかります。どれも細くて、ゆったりとしたカーブを描くところが似ていますね。
前々回紹介したように「襲目(かさねめ)」、色のコーディネートでは「青柳」は表が「淡萌黄」裏が「濃萌黄」、つまり、薄い緑、濃い緑、同系色をあわせます。さわやかな感じですね。(便覧P33参照)
「萌黄匂(もえぎにおい)の鎧(よろい」」は「平家物語」の中の「敦盛の最期」で平敦盛の服装としても勉強します。(国語教科書2年P181)いかにも若い敦盛らしい、おしゃれな出で立ちです。(便覧P84)
青柳の 糸よりかくる 春しもぞ
みだれて花の ほころびにける
古今和歌集 紀貫之
実はこの短歌は「糸」つながりで「よる(糸を何本かよじって太い糸にすること)」
「かく(搔く・・・ひっかかる)」「はる(布を張る)「みだる(乱れる)」「糸がほころぶ(綻ぶ)」と縁語がたくさん使われています。(便覧P121)なかなかわかりにくいのですけれど、連想ゲームのように、ある言葉から次々につなげて短歌を作る手法です。日本語は落語だけで泣く、短歌で言葉遊びをしたり、豊かに表現する言語です。
※学習課題(挑戦してみよう)(便覧P120)
・色を表す言葉、萌黄(もえぎ)と萌黄匂(もえぎにおい)とはどう違うでしょうか?
・枕言葉にはどのようなものがありますか?
・「垂乳根(たらちね)の」は、何にかかりますか?